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社内でAIを動かすときに必要な設備。サーバー・電源・空調・保存先の考え方

AIを社外のサービスに頼らず、社内の機械で動かす方法があります。その場合、パソコンを1台買えば済むわけではなく、電源や空調、データの置き場所まで考える必要があります。メーカーや公的機関の資料をもとに、事務所に置く前に確かめておきたい設備を整理しました。

01設備の大きさは「どんなAIを動かすか」で決まる

社内でAIを動かすには、GPU(AIの計算を受け持つ部品)を載せたパソコンやサーバーを使うのが一般的です。どのくらいの性能が要るかは、動かすAIの大きさと、同時に使う人数で変わります。

たとえば、NVIDIAの業務用GPU「RTX PRO 6000 Blackwell Max-Q Workstation Edition」は、メーカーの仕様によると、搭載メモリが96GB、最大消費電力が300Wです(2026年10月時点)。こうした部品を1枚載せるか、複数枚載せるかで、必要な電気の量も、出る熱の量も大きく変わります。先に「何をさせるか」と「何人で使うか」を決めておくと、過不足のない設備を選びやすくなります。

02電源:コンセントの容量と停電への備え

製品評価技術基盤機構(NITE)は、一般的な壁のコンセントは2口の合計で1500Wまでしか使えないと注意を呼びかけています。決められた量を超えると発熱し、発火などの事故につながるおそれがあります。GPUを載せた機械は電気を多く使うため、同じコンセントにほかの機器をつないでいないか、延長コードでたこ足になっていないかを確かめます。台数や構成によっては、電気工事で専用の回路を用意することも検討します。

停電への備えには、UPS(停電しても少しの間だけ電気を送り続ける装置)を使います。メーカーの説明によると、UPSは停電のときに機器を安全に止めるための電気を送るもので、何分もつかは、つなぐ機器の消費電力によって変わります。また、中の電池には寿命があるため、定期的な交換が必要です。

03熱と音:置き場所と空調

機械が使った電気は、ほとんどが最後には熱になります。サーバーにはそれぞれ動かしてよい温度の範囲が決められていて、たとえば富士通の事務所向けサーバー「PRIMERGY TX1330 M6」の仕様書では、周りの温度が10〜35℃、湿度が8〜85%(結露しないこと)とされています。夏の休日に空調が止まる部屋や、窓のない物置に置く場合は、温度が上がりすぎないかを確かめておきます。

音にも注意が要ります。同じ仕様書には、温度が高いときなどはファンの回転が上がり、ふだんより音が大きくなることがあると書かれています。人が仕事をする机の近くに置くか、別の部屋に置くかは、熱と音の両方を見て決めます。なお、AI専用の大きな設備では、1台で数キロワットの電気を使い、熱がこもると性能が落ちることもあると報じられています。

04保存先:資料と記録の置き場所

社内でAIを動かす理由の多くは、社外に出したくない資料を扱うためです。そのため、AIに読ませる社内の文書を、どこに、誰が見られる形で置くかも設備の一部として考えます。部署ごとに見せてよい資料が違う場合は、置き場所を分けておくと、あとで決まりを作りやすくなります。

AIの機械そのものの設定や、読ませた資料も、壊れたときに戻せるように控えを取っておきます。控えは同じ機械の中だけでなく、別の場所にも置くのが基本です。社内の共有の保存先を使う場合は、容量に余裕があるかも確かめておきます。

05買う前に、持ち続けられるかを見積もる

社内でAIを動かす設備は、買ったときの費用だけでなく、毎月の電気代、空調、UPSの電池交換、故障したときの修理まで含めて考える必要があります。担当する人が社内にいるか、外部に任せるかも、早めに決めておきたいところです。

社外に出せない情報を扱わないのであれば、法人向けのクラウドのAIサービスで十分な場合も多くあります。社内で動かすかどうかは、設備を置く場所と、持ち続ける体制を確かめてから判断しても遅くありません。電気工事が必要かどうかは、電気工事の専門業者にご相談ください。

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